コラム

利益が出るきっかけは?(その3)

2009 年 10 月 26 日 月曜日

 私が関与する企業においても、利益が出るようになったきっかけは、まず第一に、経営者が、なぜ、利益がでないかをつきとめ、どこをさわれば利益が出るのかを考え、それを断行したということです。

 当たり前の話ですが、原因がわからないままに、経営者は、指示を出してはならないのです。また、原因がわからないままに、給与体系などいじってはならないのです。まず原因を特定することが重要なのです。

 例えば、私共のお客様で、返品の多い企業がありました。この経営者に話を聞くと、年間にそのロス及びそれに関するロスは、5千万から1億はあるのではないかといわれました。この企業は、次の1年間は徹底的に、それを潰しました。もちろん、今は、その分が利益です。

 また、今まで、ある工程を外注に出していた企業があります。この工程に利益があると考えた経営者は、その工程を内部化しました。もちろん、その後、その分が利益となりました。

 つまり、企業規模の大小にかかわらず、利益がでない原因を特定し、そのことが実行可能かどうかを検証し、実行することが重要なのです。検証するとは、私共の考え方で言うならば、資金が回るかどうかを検証するということです。資金が回らないと、実行できたとしても、企業がなくなる可能性が高いからです。大企業と中小企業との大きな差異は、金融機関の企業に対する対応です。中小企業の場合は、教科書通りにはいかないので、注意を要するのです。

利益が出るきっかけは?(その2)

2009 年 10 月 26 日 月曜日

 リバイバルプランが導入される以前の借入金は、1989年に1兆2千億から1998年には2兆4千億と約10年の間に倍の増加となっていました。

 ゴーン氏は、この状況を「海に突き出した桟橋が燃えていると想像して下さい。そこにしか板がないのですが、火がついている。足元が燃えている。このままでは、溺れてしまう。しかし、どうしたらいいかわからない。日産は、足元ががんがん燃えていたのです」と表現していました。

 当然のことですが、従業員の士気は下がっています。そして、それぞれが言うには、「私は正しい。他の部門の人間が悪い。あの人さえいなければ」ということです。つまり「赤字の構造化」なのです。こうなると、そう簡単には改革ができません。なぜなら、皆、「自分は正しい」と思っているからです。全員が「思考能力の停止」の状態になっている中、ゴーン氏は、赤字になっている最大の原因は「ゴールを見ないまま、自分が今やっていることに皆が集中している」と発言します。皆が、部分最適を目指し、そのことが全体不適を生んでいるということに気付いたのです。

 そして、失敗の原因を①利益追求の不徹底、②顧客志向の不足、③機能、地域、職位横断型業務の不足、④危機意識の欠如、⑤共有ビジョンや共通の長期計画の欠如の5つにまとめました。

 我々は、再生に入っている企業のお手伝いをすることが多いのですが、業績不振の原因は、ほとんどがこの5つに集約されると言っても過言ではありません。そして、その全ての非は、第一義的に経営者にあります。ここで注目して頂きたいのは、市場がどうだとか、環境が悪いとかではなく業績不振の真の原因は、企業内部にあるということから入っているということです。

インフルエンザと休業手当

2009 年 10 月 20 日 火曜日

 新型インフルエンザの本格的流行で、学校や職場等集団で行動する場での対応は重要な問題となっています。個人的な日常の注意は勿論ですが、職場での留意事項を伝達し、会社に甚大なる被害が起きないよう促す必要があるでしょう。

■企業での対策例
●洗面所に手洗い用石けん、消毒薬の準備
 場合によってはうがい薬によるうがい
●必要に応じてマスクの準備や着用
●咳・くしゃみエチケット ティッシュなどで鼻や口を押さえ、飛沫を飛ばさないように注意する
●複数が接触するような場所は以前より清掃を徹底する
●熱がある時、無理に出社しない
●必要に応じ体温計を備え付けておく

■休業中の賃金の取扱いは?
 さて、インフルエンザにかかったかなと思われた時、会社は自宅待機を命ずる事となると思われますが、それには、下記のような場面が想定されます。
●本人の感染が疑わしく、検査結果待ちの時
●家族の  〃        〃   
●本人の感染が判明した後完治後3日間位
●海外出張から帰国後3日間位
 この間の賃金はどのように扱うのが良いのでしょうか。会社が自宅待機を命ずれば、会社は休業補償(平均賃金の60%以上)をしなければなりません。厚労省も今回のインフルエンザの休業補償について明確な見解を出しているわけではありません。インフルエンザに罹患することは、普通は会社の責任ではありません。本人が年次有給休暇を申請すれば休業補償は不要となりますが、会社が休業を命ずると休業補償しなければならないというのも変な話です。
 年次有給休暇は本人申請であり、強制的に取らせる事はできないため、本人の同意が得られる時はその方法も良いでしょう。
 新型インフルエンザはかかった人、又はその恐れのある人には休んでもらわないと、会社の被害を拡大させる可能性がありますから、その事を考慮したうえでの企業対策が必要でしょう。

利益が出るきっかけは?(その1)

2009 年 10 月 16 日 金曜日

 私共のお客様で、小売業でも製造業でも、この時期に最高益をあげる企業が出始めています。

 私が、そのお客様の経営に関わりだしてから、数十年が経ちます。その中で、利益がでるきっかけというものを考えてみました。以下、私が持つ、今の結論です。

 コンサルティングを通じての流れは、まずは、現状分析をしっかりと行い、業績が下がっていれば、その真の原因は何かを見つける事が重要であると思っています。コンサルタントの上級、下級の判断は、この真の原因をどれだけ早く見つけられるかがポイントの1つです。

 例えが古くなりますが、経営再建をするにあたって、日産のゴーン氏が経営者になって最初に発表した「リバイバルプラン」の案件が非常に参考になると思うので、ここで書いておきます。

 私は、この「リバイバルプラン」が成功した要素のひとつとして、ゴーン氏が業績の下がっている原因を的確に、しかも早く見つけ出したことにあるように感じています。原因がはっきりとし、打つ手さえ間違わなければ、企業は、必ず再生できるはずです。そして、次に来るのが、このリバイバルプランの中でゴーン氏が行ったコミットメントです。優先順位のつけかたは定石通りです。私は、ゴーン氏が、この戦略を発表したときの衝撃が忘れられません。従って、リバイバルプランは大いに勉強し、参考にさせてもらっています。

民主党政権で税制は?

2009 年 10 月 13 日 火曜日

第45回衆議院議員総選挙において、民主党が306議席を獲得し、新たに政権を担うこととなりました。
民主党は、マニフェストにおいて税制について公約を掲げていますので、いくつか見てみましょう

■年末調整選択制度の導入
 給与所得者についても確定申告を原則とし、年末調整も選択できる制度が導入されます。

■年金課税の見直し
 「公的年金等控除」は平成16年度改正以前の状態に戻され、廃止された「老年者控除」は復活します(ただし、所得制限あり)。

■住宅ローン減税
 バリアフリー化や省エネなどの社会ニーズの高い分野に対して重点的な負担軽減策が講じられるとともに、自らの資金で住宅を新改築・購入した場合でも、住宅ローン減税と同程度の負担軽減を受けることができる制度(投資減税)が創設されます。

■保険料控除
 生損保の保険料控除については、社会保障制度を補完する遺族・医療・介護・老後(年金)といった保険商品に対応した、新しい保険料控除制度を創設、所得控除限度額が所得税において15万円程度に引き上げられます。

■給付付き税額控除
 生活保護などの社会保障制度の見直しと合わせて、次の控除の導入が検討されます。   
(1)基礎控除に替わり「低所得者に対する生活支援を行う給付付き税額控除」
(2)消費税の逆進性緩和対策として、基礎的な消費支出にかかる消費税相当額を一律に税額控除し、控除しきれない部分については給付をする「給付付き消費税額控除」
(3)就労への動機付けのため、就労時間の伸びに合わせて「給付付き税額控除」の額を増額させ、就労による収入以上に実収入が大きく伸びる形で「就労を促進する給付付き税額控除」

これとともに、配偶者控除などの諸控除が見直され、また、税と社会保障に共通の番号制度の導入が前提とされます。

■法人税
 中小企業に係る法人税の軽減税率は、現行の18%から11%とされます。「一人オーナー会社(特殊支配同族会社)」の役員給与に対する損金不算入措置は廃止されます。

=消費税= 保険料と保険手数料の不思議

2009 年 10 月 12 日 月曜日

■消費税の構造
 消費税は、事業者が売上等で預かった消費税から、仕入や経費等で支払った消費税を引いて残りを国に納付することとなっております。要は、消費税は消費者から預かった分が最終的には国に納付されると言う仕組みです。

■保険料
 保険料は万が一の時に「保険金」を支払うと言う役務の提供を受ける為の金銭の支払ですから、基本的に課税取引となります。しかし保険料は、特別に非課税とすると規定されている為、非課税取引とされます。

■保険手数料
 保険手数料は「保険料」を支払うと言う契約を結ぶ』営業活動に対する手数料です。所謂保険代理店の売上ですので課税取引とされております。

■保険手数料は保険料の一部では?
 しかし通常は保険料と保険手数料は区分されてなく、一括して保険料として支払われております。このような場合は、その全てが非課税と規定されておりますので、すべて非課税とされます。

■保険代理店収入は課税
 保険会社から保険手数料として支払われる保険代理店の収入は、課税取引として消費税がかかってきております。

■消費税は構造的に二重取りを生む
 ということは、保険会社は通常保険手数料も合わせて、保険料として徴収しておりますから、保険手数料にかかる消費税も保険料として徴収していることになります。
 課税事業者が保険料に含めて払った消費税は払った課税事業者からは引けず、保険代理店の手数料収入には課税されておりますから、国としては二重取りとなっております。非課税取引がある場合は、往々にしてこの二重取りは発生しております。

在宅勤務と制度制約

2009 年 10 月 7 日 水曜日

■多様な勤務形態
 徒歩通勤者の職員に対して通勤手当を支給している自治体が274にのぼり、うち通勤距離が2km未満にも手当を支給している自治体が244と全自治体の約8%を占めているという調査報告があります。
公務員の勤務形態の多様化も検討されている折柄、在宅勤務になってもこの支給は続けられるのかと疑問がわきます。

■在宅勤務化がトレンド
 NTT、NEC、全日空、Panasonic、富士通、特許庁などの大がかりな在宅勤務制度の導入情報が報告されています。
 在宅勤務者にはインターネットやFAX等の利用料金や電気代、さらには家賃の一部を会社が負担しているケースもあるようです。
ところで、これら会社負担が現物給与であるか否か、課税給与とされるか否か、社会保険の月額報酬に含まれるか否かについては、要検討事項です。

■課税関係情報は揺れている
 自宅兼事務所を所有している事業者の家事関連費の考え方と同様に、様々な明細書等をもとに業務に相当する費用であると証明できる場合には課税給与と取扱わなくてもよい、との情報があります。
 また、会社管理のパソコンやプリント用紙やインクなどが現物支給された場合は会社の備品消耗品の処理にとどまるが、電気代や通信費など現物支給ができないものについて金銭で補てんしたとすれば、給与扱いとなる、との情報もあります。

■社会保険はもっと不確定
 標準報酬(給与)月額の対象となるものとしては課税情報の後者の扱いと同じと言って差し支えないだろうが、それ以前に、そもそも在宅勤務者は労働者か、と問われるようです。
 指揮監督、時間拘束、労働代替性、賃金労務対償性、機械・器具が会社より無償貸与、などを総合判断し、労働者性の濃淡の状況により被保険者になれない場合があります。

■政策制度間の齟齬
 一方で、勤務形態の多様化を唱えながら、他方でそれに邪魔立てするような制度になっている、というこの実態は、珍しいことではなく、縦割り行政の硬直化として日本の中の普遍的現象ともいえます。
 政権公約で解消してほしいところです。

企業努力で社会保険料削減

2009 年 10 月 6 日 火曜日

①退職日は月末以外の日とする
 社会保険料は入社の日の月から退社した日の月までかかりますので、月末退社の場合はその退職月までかかる事となります。 社内規定で月末退職が規定されていれば別ですが、退職日を月途中とする事で、その月は保険料がかかりません。これは、賞与についてもいえる事で退職月に支払った賞与の保険料は月末退職でない限り、保険料はかかりません。

②非常勤勤務やワーク・シェアリングする
 企業で社会保険に加入しなければならない要件は、1日又は1週間の労働時間、又は1か月の労働日数がその企業の所定労働時間の4分の3以上働く人が対象となります。フルタイム勤務を要しない人に対してこの勤務時間の範囲内で勤務をしてもらい、又、正社員でもワーク・シェアリングを行った場合には利用できる方法かもしれません。

③実費弁済的な費用は賃金から除外する
 実際に支払った出張費等は賃金からはずし、別途実費弁済で精算します。

④個人事業主との委託契約等に切換える
 業務内容によっては、個人事業主としての契約に変えることができる業務もあると思います。企業負担を減らすとともに、本人にもメリットになる事もあるでしょう。

⑤育児休業者保険料免除制度を利用
 育児休業者がいる場合、免除申請が受理されれば、子が満3歳になるまで保険料免除されます。(長期の休業が企業にとってどうなのかは別として)保険料免除申請をして必ず適用をうけましょう。
 今日のような経済情勢の下では、経費の見直しをしている企業も増えているかもしれません。
 社会保険料の負担軽減を意識することで、保険料節約ができれば、少しでも経費削減につながる事でしょう。

給与の遅配、分割払と税金

2009 年 9 月 30 日 水曜日

■給与を支払わないと税金は?
 企業の業績が悪化し、資金繰りに窮するようになると、給与の未払や遅配を余儀なくされます。
そのようなときに気になるのが、税金や社会保険料です。

■源泉所得税は給与対応分だけ
 所得税法で給与の支払者はその支給の際に源泉徴収をする義務があるとされています。支給の際とありますので、支給がなされないかぎり源泉所得税も発生しないことになります。
 また支給すべき給与の一部だけが支払われる場合には、分割支給の割合分だけの税額を徴収することになります。例えば支給すべき給与の額が30万円でそのときの源泉所得税額が6万円であるとした場合に、給与の3分の1の10万円が支払われるときは源泉税額も3分の1の2万円となります。
 このように源泉所得税が徴収されるのは現実の支給に見合った分だけなのですが、年末調整や確定申告の際の所得金額計算では、給与の支給日として定められた日に収入があったものとして未払分も含みますので注意が必要です。

■住民税は今の給料に関係ない
 住民税においても、給与の支払者は特別徴収義務者として給与の支払時に住民税を徴収しなければなりません。給与の支払時にというのも所得税と同じです。
ただ、給与支給の際に徴収されている住民税は、前年の所得に対して確定した税額ですので、給与の支給がないことをもってその確定した税額が減免されることはありません。すなわち給与の支給者が爾後支給不能の状態に至れば、未徴収の住民税額分は本人が普通徴収の方法で支払わなければならないことになります。
所得があればこその税金が、所得がなくなるときにまでつきまとう、といったら言い過ぎでしょうか。

○○○○にやさしい

2009 年 9 月 29 日 火曜日

最近、政府により実施された景気対策には、ある共通項があるようです。
いくつか概要を掲げますので、見つけてください。

■一般住宅の住宅ローン控除
 住宅ローンを利用して、今年及び来年中に住宅を新築等し居住した場合、年50万円、10年間で最大500万円所得税が減税されます。また、控除額を所得税から引ききれない場合は、残額を翌年度の住民税から年最大97,500円控除できます。

■認定長期優良住宅の住宅ローン控除
 建物の耐久性を高めるために建築コストがかさむと考えられることから、一定の条件のもと、一般住宅の住宅ローン控除より約20%割増で控除が受けられます。
ローンがない場合でも、最大100万円の税額控除が受けられます。

■特定の長期所有土地等の所得の特別控除
 今年及び来年中に、日本国内の土地等を取得し、その後5年超所有してから譲渡し、譲渡益が出た場合、所得から1,000万円の特別控除が受けられる制度です。

■エコカー減税
 最近、テレビCMでおなじみですが、例えば、平成17年排出ガス基準75%低減レベルで平成22年度燃費基準+20%達成のハイブリッド車を購入する場合、自動車取得税と自動車重量税が全額免除され、なおかつ、一定の条件で補助金が最大25万円支給されます。

■エコポイント
 エアコン、冷蔵庫、地上デジタル放送対応テレビのうち統一省ラベル4つ星以上のグリーン家電を購入するとエコポイントを取得でき、申請によりエコポイントと商品券などとを交換できる制度です。

■共通するのは……
 これらの制度を眺めていて感じるのは、「持つもの」だけがその恩恵を受けられるということです。つまり持つものにやさしい制度です。持たざるものは、定額給付金でガマンしろということでしょうか?
 一億総中流時代が終焉した今、今は持てないが、あきらめず頑張れば持つことができると、このような層の人々に夢を持たせる税制や政策こそが、日本の将来を明るくするのではないでしょうか?